新型コロナウイルス対策へのアロマ「ティートリー」

新型コロナウィルス対策として、除菌や消毒代わりに使用が増えており、オーストラリア東海岸で逞しく生きるティートリーについて紹介致します。

ティートリーの原生地区は、オーストラリア東部のクイーンズランド州南東部およびニュー・サウス・ウェールズ州北東部の海沿い。
少し内陸に入ったところでも自生していますが、その場合は水のある川や小沼周辺、湿地帯などにあたります。
湿ったところが好きと言われています。

【自生エリアの気候及び環境】
自生するエリアは温帯~亜熱帯気候に属する温暖湿潤な環境のエリア。川から海へ注ぐ水の流れのあるところや、小沼の岸などの比較的平坦な地形の湿地帯に自生しています。
1年を通じて温暖で、冬場でも最低気温が9℃以下になることはほぼありません。
また、晴天率が高く、日照時間の⾧いエリアですが、1年のうちに何度かまとまった雨が降るため、周辺は緑豊かな環境です。

【特徴】
フトモモ科(Myrtaceae family)コバノブラシノキ属(Melaleuca)の常緑樹。

平均樹高3~7メートル、最大約10メートル程度。

ふさふさとした樹冠に比較的細い幹、樹皮は白っぽく、紙のように剥がれ落ちます。葉は滑らかで柔らかく、互い違いに生えており、ところどころ渦を巻くように絡まっていることもあります。
水の近くや湿ったところに根を張り、日当たりのいい場所なら水はけが悪い土壌でも育ちます。
また、夏場の気温が高く、日照りが続くような過酷な条件にも耐え、オーストラリアならではの厳しい環境でも生き残ることができる、ユーカリに負けないたくましい植物のひとつです。

【開花シーズンと花の特徴】
南半球の春~初夏(だいたい9~11月頃)が開花時期です。
花は、白色またはクリーム色で約3~5 cm。つんつんとしたスパイク状の花が集まってふわふわ
とした綿毛またはブラシのように咲きます。 私は個人的に、フトモモ科のこの勢いのあるブラシ
コップ系のお花が大好きです!美しさだけではなく、花にも生命の逞しさを感じます。

【精油としてのティートリー】
水蒸気蒸留法により葉から抽出。皆さんご存知の様に、殺菌、抗菌、抗真菌(カビ)、抗炎症作用があるとされます。
また、抗ウィルス的な効果も期待されますが、臨床試験はされておらず、医療現場で使われているわけではありません。

主な有効化学成分は以下の通り。
・テルピネン4オール Terpinene-4-ol
・アルファテルピネオール Alpha-terpineol
・ガンマテルピネン Gamma-terpinene
・パラシメン Para-cymene

【精油以外の使用用途】
ティートリー・オイルは、ユーカリプタス・オイルと並び、オーストラリアでは何世紀にも渡って、応急処置のための家庭の常備薬となっています。
また、その殺菌・抗菌力から、掃除や洗濯のなどクリーニング製品にも使われています。ちなみに、ユーカリは虫除け効果のため、ウール用洗剤にはほぼ必ず入っています。

オーストラリア東部内陸部の先住民アボリジニの人々は、ティートリーの葉をすり潰して出たオイルを吸引し、風邪や咳などの治療に使っていました。
また、葉を揉んで少量を傷口にふりかけ、その上から大きな葉などで湿布状にして切り傷や擦り傷などの治療にも使っていました。
また、ティートリーを水やお湯に浸し、エキスの染み出た液体を皮膚炎に塗ったり、液体を火で炙って蒸発させた湯気で喉の痛みを癒すのにも使っていたといいます。
ただし、ティートリーは毒性が強く、そのまま吸い込んだり、経口摂取するのは危険なため、先住民アボリジニの人々は、体内への直接摂取はしていません。
ティートリーより「タスマニアティートリー」といわれる「マヌカ」の方が毒性はなく、安全に使用できます。

【おわりに】
ユーカリやティートリーをはじめとするオーストラリアで逞しく育つ植物たちは、大地の純粋性を守るための殺菌成分とし精油を武器として持ち合わせ、それでいて、広大な大地でのんびりマイペースにも生きている憎めない植物たちばかりです。気は張っているけれど、どこか力をぬいてストレスをためないのが上手なのかもしれません。

猛威をふるうコロナウィルスは正体がわからないので、本当に恐ろしいウィルスだと思います。
でも恐れ過ぎず、でも甘く考えてはいけないとも思います。
1つの軽率な行動が人の命を奪ってしまうウィルスです。

手洗い、消毒、マスク着用、外出の自粛など、気を付ければできることをひとりひとりが行い、生活習慣を整え、免疫力が落ちないように基本生活を行った上で、アロマテラピーのティートリーをはじめとする精油パワーをお使い頂きたいなと思います。
1日でも早いコロナの終息を願い、また皆様と笑顔で無事にお会いできますことを、心よりお祈り申し上げます。

※アロマテラピーは医療行為ではなく、こちらに紹介した効果効能は期待されるものです。

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